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池島クライシス
【池島】・・・・
長崎県の西に浮かぶ周囲4kmほどの島。
かつて炭鉱で栄えた島は2001年に閉山。
それ以降は当時の建物もそのままに廃墟化。ゴーストタウンとなる。
近年『軍艦島』の世界遺産決定とともに、"第2の軍艦島”として脚光を浴びはじめている。
軍艦島は無人島で規制も多く勝手に入ることはできないが、
池島はまだ100余人が島で生活しておりある程度自由に見て回ることができる。
ひさしぶりの一人旅でございます。
飛行機2つ、バス3つ、船1つを乗り継ぎ、やっと「池島」に到着。
飛行機からバス、バスからバス、の乗り継ぎはどれも時間ギリでハラハラ。
一つでも乗り遅れると今日中には着けなかった。
港から池島へ向かう船の乗客は自分と島民のおじいさんの二人だけらしい。
船長さんに「今日は島に泊まると?この船もこの便終わったら台風2つ来とるからこもるけん。しばらくこの港には帰って来んよ」と。帰りは佐世保港へ行くつもりだと言うと「そっちは大きか船やけん大丈夫やろね」
出航。
先ほどの島のおじいさんと話をした。
昭和47年から池島で働いてたこと、その前は浦安の現場で働いてたこと、2001年に池島の炭鉱が閉山になったこと、いま周りに見える島はだいたい炭鉱として稼働していたこと。造船所として稼働してる島も今はあること・・・
「ニイちゃんはどっからきたと?」宮城県です、仙台というところ。
「あんまり聞かんな〜」(こちらの方はあまり東北ってなじみがないのだろう。)
「島に誰か知り合いがおると?」いえ全然、ただの観光です。
「なんでこの島に?」なんで、、ん〜、なんとなくw
「ひとりで?」はい。
「もったいなかー。一泊?」はい。
「もったいなかー。今度来る時は家族で来てゆっくりしていくとよか」はい今度はぜひそうします。

港から少し歩こうかと思っていたが、おじいさんが「上り坂で疲れるけんバスでいかんね、わしも乗るけん」島内を巡回してるコミュニティバスに乗り込む。おじいさんはバスに乗って2−3分程の港近くのアパートの前で降りていったのでお礼を言った。
運転手さんは、今年は雨が降らなくて困ってるという「台風来るのはいいが雨も降ってくれんと」とのこと。大雨で災害に見舞われて大変なおもいをしてる地域もある一方で皮肉なものだ。
「ご飯食べたと?先に”かあちゃんの店”寄るとですか?」
そうですね、、閉まるの18時位ですもんね?
ここ池島で食事をできる場所は ”かあちゃんの店” 一箇所のみ。
宿泊できるところも今日泊まる予定の ”中央会館” 一箇所のみ。
今17時半過ぎなのでここで食べなければ今日はもう何も食べられないということになる。
店のドアの前には猫がわらわら。そうここ池島は ”猫島” とも呼ばれてるらしく(宮城の田代島も”猫島”で有名ですね) およそ100人以下の人口に対して猫300匹とも・・・
小学生低学年くらいの男の子が猫と戯れてたので店の子か島の子かとおもい「ぜんぶノラ?」と聞いたら「知らん」と。
店の中へ。
閉店間際で嫌がられそうなのでとっとと食べて出ようと思い入ってすぐメニューを見渡し、ちゃんぽんとビールください、と注文。席につこうとするとあれま他にもお客さんがいらっしゃいました。もしかして今日この島に泊まるのは自分一人だけかもと思っていたのでちょっとほっとした。お客さんは皆男性で一人と三人組。こんちわ〜と挨拶して席に着くなり一人の男性が「炭鉱の体験してきましたか?」と。いやたった今到着したばかりなのでまだどこも。「どちらからですか?」東北の宮城県です。というとその方も「ぼくもですよ!」と「青葉区の〇〇です」まさかこんな西の果ての狭い島で同郷の人に会うとは。店の前にいた子供もこの人の息子さんだそう。そしてもうひと組の3人さんは九州電力の方達で仕事で台風が来る前に早めに池島入りをしたとのこと。泊まれるところは一つだけなんでみんな一緒のところですから。
お店を出て "展望台" という看板があったのでそちらへ行ってみる。
展望台に行く手前にはこんなものが。
展望台から
まだ日没まで時間があるので一度チェックインをしに宿泊所へ。
行く途中先ほどの親子に会い話しながら歩く。
「8階建アパートは見ました?あそこは行かないと。あとすぐ近くに銭湯あるんで入るといいですよ」と教えてもらった。
宿泊所に着き、部屋に案内されると思ってたより全然良かった。こじんまりしてるがエアコンもありベッドが置かれてる。しかもなんと部屋からあの夕日が見える!!
再び外出しようとするとフロントの人から懐中電灯を手渡された。
現在生徒は中学生はおらず、小学生の男の子兄弟2人だけだそうです。
池島のランドマーク的建物 "8階建アパート”
この8階建アパートは8階建なのにエレベーターがない。
左の道を行けば1~4階まで上れる入り口、右の道を行けば5~8階まで上れる入り口。
こういう工夫により建築基準法をクリアしていたのかも。
5~8階への入り口。
8階建アパートを通り過ぎそのまま進んでみる、
すると、
きました
ジャジャ〜ン
なんかスゴイもの見た気分。。。
そして、
日没。。。
そのまま銭湯へ向かう。
なんの飾り気もない無骨な銭湯。
ちょっと熱めだがここも誰もおらずゆっくり入れて疲れが癒えた。
銭湯から出ると外はもう真っ暗。
いよいよここでお借りした懐中電灯が登場!
このへんは今や誰も住んでいない廃墟アパート。まわりは森。
人っ子ひとり歩いてない(猫は歩いてるが・・・)
否が応にも気分は盛り上がる?。。。
そこで頭の中で流れてきた曲が♪
『蝋人形の館』
by聖飢魔II (知らないよい子はゴメンなさいw)
真っ暗な中、
誰も住んでいない廃墟アパートを懐中電灯で照らすとちょっとした心霊スポットのようw
ちょっとゾクゾクッときながら空を見る。
雲が厚いのか、星も月もまったく見えない。。。
宿に帰り、窓を開けエアコンと電気を消してみると、
かすかな波の音と虫の声と時折得体の知れない獣?のような鳴き声。
遠くに聞きながらも、ぐっすり眠りましたw
(T)