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ここから炭鉱に入ってくのだろうか。

五島列島クラクラの旅 2
福江島の西の果て「大瀬崎灯台」をあとにし次の目的地、荒川へ向かう。
ナビまかせに向かう。方向音痴なのでふだんは従順にナビに従うのだが ”方向音痴にも五分の魂” 、感覚的にぜったいそっちじゃないだろ、って時がある。ただ所詮、方向音痴なので確信も自信もないので結局すごすごナビについて行ってしまうのだが。。今回も絶対逆だよね、と思いつつ停まって何度もナビを入れ直すが選択肢すらなくこのルート一本のみ。しばらくして来た道を戻ってることに気づく。基本通ったことのない道を行きたいタイプなので、もったいなか、と言いながらナビに従った。しかし後から調べたらここは一本道だったらしい。やはりGoogle先生が正しかった。
これから向かう荒川は福江港とは反対側にある漁港。
聞いた話によるとそこには温泉もあるし、港の前が無料の駐車場になってるという。
なので今夜はそこで車中泊するつもり。
ギリギリまでまわってお風呂にゆっくり浸かってあとは酒でも煽ればそのうち眠るだろう。どうせ翌日は朝5時6時早めから動こうと思っている。
車を走らせている最中、徐々に雲が厚くなり薄暗くなってきた。
ラジオをつけ台風情報を聞く。「今日の夜から明日にかけて長崎・五島列島へ最接近するでしょう」ふ〜ん。港の駐車場ってどんなんだろ?台風とかきたらヤバイのか?今は大したことないけどやっぱこちらの台風はすごいのだろか?東北は地震は多いが台風はほぼ来ないのでいまいち実感が湧かない。今までなら大丈夫だろで押し切ってたろうが先ほどの岬で自然の”畏怖”というものを感じビビってるのでwここは安全策でいこう。ネットでその近辺の安宿を探し、よさげな所に電話をしてみる。
急で申し訳ないのですが今日一泊なのですが、空いてますか?
「空いてますよ。ただ明日台風ですけど大丈夫ですか?」
似たような事をレンタカー屋のおじさんにも言われた。2回続くといったい明日何事が起こるのだろうと心配になってしまう。
「あとこの辺りにはスーパーや商店がないので自分の食べる物は途中どこかで調達してきて下さい。」切ってしばらくするとまた折り返し電話がきて「明日の船は全便欠航が決まったそうです」と教えてくれた。
ある程度想定はしてたので、しようがない、切り替えて楽しもう、くらいに思っていた。
結局途中どこかで食料を買おうと思ったが来る道中、お店は見当たらなかった。
とりあえず宿へチェックイン。
古民家を利用したちょっとこぎれいなゲストハウス。
ほんと港からすぐ近くだった。
2階の部屋は片側6畳×6畳の部屋が廊下を挟んで両側にある。
「今日はお客さんあとお一人だけなのでお好きな方でいいですよ」
ゲストハウスなので普段はお客さんの人数によって同じ部屋に知らないもの同士雑魚寝なのだろう。自分のスペースは布団とその周りだけ。
だけど今日は二人しかいないのでまるまる12畳を使えるという事。
途中何も買って来れなかったと話すと近くに酒屋さんならあるという。
それはラッキー!ふつう人間て酒があれば生きていけますよねw
台風で閉める場合もあるというので先に急いでお酒とおつまみを購入。
宿の冷蔵庫に入れて外をぶらぶら。
さっき車を停めた目の前に温泉施設があったので汗を流しに入る。
けっこう熱めなのであまり入ってられなかった。
お風呂を出て、さてどうしよう思ってると港の端に食堂らしきお店があるではないか。
お店のお母さんらしき人が店の外でくつろいでるので、何時からですか?尋ねると「はい、どうぞ」
そういえば五島に入ってからまだ食べてなかった「五島うどん」を注文。
すっきりしてるけどコクのあるあごだしで、麺は細くコシがある。
後味になんとなく油っぽさが残るような感じなのは麺に椿油が練り込まれてるせいなのか?
独特なおいしさ。
あとからポテトサラダもサービスでつけてくれて290円って。なんか申し訳ないです。。
ちょうど陽も落ちかけてきたのでこの先にあるビーチに向かってみる。車で10分くらい。
「高浜海水浴場」
ここは ”日本一美しいビーチ” に選ばれた所らしい。
「魚藍観音展望所」からの眺め。
うまく撮れませんでしたがパンフレットや観光案内などの写真はここからのものが多いようです。
このビーチにもはじめ誰もいなかったが、あとから男女7〜8人の学生さんらしき子たちがワイワイ。「すいません夕日をバックにシャッター押してもらえませんか?」と頼まれ、キメキメの顔とポーズだが逆光で表情は写らないよw
高浜から宿へ戻る途中、外の景色の異様さに車を止めてしばし絶句。
UFOが間近にでもいるのか、それともなにかの天変地異かと・・・
余韻をひきずりながら戻ると、港はこんなんなってました。。
向こうでタンカーでも燃えているような、、、ほんとすごい色でした
池島から連日すごい夕陽夕焼けを見ていましたが、上の2つは別格。
どちらも、空と水面に映った色とその間に挟まれた山のシルエットが幻想的。
上は、やわらかい色彩のグラデーションでこんなきれいな色の空は見た事ない。
下は、とにかく強烈なインパクトの彩度で実際の色はもっとすごかった!
宿に戻るともう一人のお客さんが共有のダイニングでご飯を食べていた。あじの開きをつまみに焼酎を飲んでいる。自分も荷物を置き、買っていたビールを出し参戦。
関東から来たというAさんは大手企業に勤めていて、休みもたくさんあるらしい。バツイチでお子さんもいて養育費を払ってるというが特に苦にしてるわけでもなさそうなのでおそらく高給取りなのだろうw 釣竿を持ってこの島を原付で回ってるらしい。原チャリで!?
「よかったらアジの開き焼きますよ」うれしいな〜この辺アジ釣れるんですもんね?どれくらい釣れました?と聞くと「あ、すいません、これスーパーで買ってきたやつです。安かったんで、、、」あ〜釣れませんでした?「そんな本気でやってるわけじゃないんで」と照れ臭そうに言った。
私の仕事を聞き「美容師さんてもっとおしゃれな所でおしゃれな遊びしてる人種だと思ってました」(わるかったなw)たぶんそうなのでしょうねwでもまれにこういうのも居るんですよw
アジの開きと、私と彼の持ってるつまみを全部広げ、焼酎をロックでいただきながらたわいもない話を夜遅くまでしたのでした。
《つづく》
(T)
五島列島クラクラの旅 1
旅はまだつづきますw
【五島列島】・・・
九州本土の西に連なる主に大きな五つの島の総称。
正確には五つだけではなく小さい島々もたくさんある。
<Wikipediaより>
今回は最も大きい福江島へ。
とても台風がきてるとはおもえない天気。
朝からなにも食べてない。港近くの食堂に寄る。
「長崎ちゃんポン定食」950円也。
間違った。ここは五島「五島うどん定食」だった。
不本意ながらwちゃんぽん定食を平らげた(でもおいしかった)
レンタカー屋さんへ。
ひとりの時はなるべく車は使わないで公共機関や歩きで見て周りたいと思っているが、、、
周囲約130kmの島なので車で周りますw
基本走ればなんでもいいが電気自動車が乗ったことないのでそれにしようとしたが80%の急速充電で30〜40分かかるというので今回はパス。なら軽を借りようと思ったがなぜかヴィッツの方が安かったのでそちらにした。
すぐにシガーソケットがあるか確認。去年高野山へ行った時借りた車はシガーソケットがついていなかったので携帯の充電ができなかった。持って来たUSBチャージャーをシガーソケットに差し込む。私のiPhone5sはもう5年近くも使っているのでバッテリーがヘタってるし突然落ちたりする。なので今回はモバイルバッテリーという新兵器も導入。
出力3Aの急速充電でこれを満充電にしておけば3〜4回は充電できるので助かる。歩きながらでもバックパックに入れたモバイルバッテリーに繋ぎながら使うことができる。
車のナビに福江島の中の地名を入れても全く出て来ないのはこれいかに?
極度の方向音痴なのでナビがないと全くわからない。スマホのGoogle先生を起動してレッツらゴー。
紺碧から青に変わる海のグラデーション、山の緑、空の青、雲の白・・・・完璧👍
きれいな山や海を見ながらゆっくり走ってると気分が良い。他に車はいない。
iTunesで音楽をかける。こんな道を運転してるといつも聞きたくなる曲。
『The Weight』
旅というと必ず聞きたくなる。完全に映画「イージーライダー」の影響ですねw
途中、教会を通り越した。”ルルド”という文字がみえたので引き返す。


傍に掘られた井戸には聖地ルルドの泉のが混入され祝別されていて"第2のルルド霊泉地"だそう。
福江島を時計に例えたら福江港は3時の位置。
そこから時計回りに来てここは7時と8時の間くらい。
地図で見ると、福江島の”西の果て”かもしれない。
<大瀬崎灯台>
ここからは歩いてあの先っぽの灯台目指します。
1.2km。足場の悪いアップダウンということを差し引いても片道20分位だろうか?
時折ひらけた所から海が見える 

ここでも前にも後ろにも人は誰もいない。
しばらく進むと前から小学校高学年くらいの男の子が来た。すれ違いざま、こんちわと声をかけると、両膝に両手をかけ中腰で肩で息をしながら「こんちわ」と消え入るような声で返して来た。おおかたダッシュとかしながらきたんだろう、元気いいなあ。などと思いながら進むと、今度は30代くらいの男性が幼い女の子の手を引きながら笑顔で「こんにちは」と言ってきた。さっきの子のお父さんだろう。でも笑顔とは裏腹に髪は汗でびしょびしょあご先からは汗が滴っている。小さい子連れてオンブだのダッコだのしながら来たのだろう大変だな、などと思いつつ進むと、今度は同じく30代くらいのお母さんらしき女性が。もうお母さんにいたっては岩に寄りかかりまったくやる気なく、もう一歩も歩けないし一言もしゃべれないから絶対無理ほんと無理、というこの世の終わりのような顔で疲れ切った感を隠そうともせず、挨拶をすると目だけで目礼をしてきた。
そんなに大変かなぁ?と思った途端気づいた。自分が楽なのはさっきからずうっと下りだから。
ということは帰りは・・・
ここからは”炎天下ゾーン” 日陰は全くなくなる。
まだあんな先ですよ、、、
歩く歩く灯台目指して。やはりひたすら下ってる。行きはよいよい、、、
だんだん近づいて来た。
なんかちょっとこわいぞ。柵もなんもないから落ちようと思えば落ちれるぞw
線で見えるのが歩いて来た道。



灯台の根っこから海を見渡してたら足がすくんできた。
特に高い所が苦手な訳ではない。海上50mからバンジーした時も特に怖くはなかった。
ただでさえ風の強い所なのだろうが台風の影響かけっこう強くなってきた。
切り立った断壁。
まったく誰もいない。
この雄大な自然を見ながら、”こんなのに人間がかなうわけない" と今更ながら感じてしまった。ふだん考えもしないが何故かこの時ひしひしと実感してしまった。
怖くなった。おそらく恐怖ではなく、自然に対する ”畏怖” 。
いろんな島に行ったし同じような場所にも行ったことはある。だけど正直こんな気持ちになったのは初めてかもしれない。
怖いもの知らずの時期を経て年齢とともにいろんな”怖さ”を知ってしまったためだろうか?
帰りがこれまたこわいな〜、この下り。
時折突風も吹いてくる。
そのあとは、やはりひたすら登り。汗だく。
行きですれ違った小学生の気持ちがわかった。
彼らと同じようにずっとあご先から汗が滴り落ちていた。
それにしても行きも帰りも結局あの家族以外とはまったく誰とも会わなかった。
やっと駐車場に着き、しぼれるほど汗だくな服を着替え、車のエンジンをかけ冷房をマックスにし流れてきたラジオに耳を疑った。
0対15。
夏の甲子園100回大会決勝、秋田金足農業対大阪桐蔭。
行く前はまだ0-3だったので逆転してくれるかと思ったが・・・
今年も”白河越え”はお預け。
でも十分、今年の夏を盛り上げ楽しませてくれました。
ありがとう、おつかれさま!
《つづく》
(T)
池島クライシス vol.3
宿を早めにチェックアウトして島を歩いて回ってみる。
外周4kmくらい。南半分は回っているのであとはそう時間はかからない。
宿の「中央会館」を出るとすぐ周りには消防分署や郵便局や診療所がある。
この島の中枢だったのだろう。
なので盛り場も。
手前が「雀荘」と「スナック」で奥が「ボーリング場」だったらしい。
建物って長い間放置しているとこうやってどんどん植物に侵食されていくのですね。
写真左の中央の一番高い所が先ほど登ったとこ。標高114mだそう。

なるほどこの島は、港から中央会館のある島の奥の方までずっと登りになっている。
船で一緒になったおじいさんがなにげなく言ったように、島の奥までは登りなのでコミュニティバスなどで行き、あとは下りなのでゆっくり歩きながら見て回ると楽で効率的だ。
旧火力発電造水施設・・・昭和41年に日本で初めて設置された、海水を真水に変える装置。


朽ちてゆく、という美しさ。
洗濯物やアンテナがある。
便利がいい港近くのアパートには人が住んでるのだろう。
一匹の猫が鳴きながら足にすり寄ってきた。痩せてるなあ。
悪いね、なんも食べ物持ってないんよ。



トロッコ道
もともと港の入り口はふさがっていて”池”だったそう。それが「池島」の由来。
それを発破でボカン、開いて港にしたんだ。と島のおじいさんが教えてくれた。
石炭船積み機トリンマー
”ジブローダー” ・・・石炭をベルトコンベアに載せる機械
なにか近未来の生き物のようだ。
そろそろ船の時間なので発着所へ。
誰もいない。戸も閉まっている。嫌な予感、欠航?
戸に鍵は掛かってない。切符を買うのに建物の中へ入っていく。朝弁食べてた窓口のおばさんがびっくりして目をまん丸にして焦っていた。バツが悪いので壁に貼ってあるポスターを見たり時刻を確認したりするふりをしながら、カタカタ、ゴソゴソと弁当箱をしまうのを耳で確認しwひと段落した頃合いを見計らって窓口へ行き欠航してないかを確認、切符を買った。
荷物を置き、外の自販機で飲み物を買ってるとコミュニティバスが目の前で停まる。中から昨日の親子が降りてきた。
「台風来てるので我々も早めに帰ろうと思って」「仙台に戻ったら車でひとりで大曲の花火行くんですよ」話の流れで仕事を聞くと、小1の息子くんが「おとうさんは家でブラブラしてるのが仕事」と言い放ち、いい仕事だね、と返すとお父さんが「おい余計なこと言うなwまほんとのことなんですけどね。カミさんのスネかじってますw」と。ここで昨日から私の頭の中でおぼろげに現れていたこの人のイメージがはっきりわかった!
『浮浪雲』
”はぐれぐも”の主人公。粋なヤサ男でものごとにとらわれない自由人。
この人ほんと誰にでも気さくに声を掛けるので、そのアカ抜け感もともと東北の方ではないですよね?と尋ねるとやはりこちら九州のご出身だそうだ。
一緒の船で佐世保へ向かう。乗客は我々だけ。
船内で何度も「ほんとに五島行くの?」と尋ねられる。「やめた方いいんじゃない?台風で帰って来れないかもよ」と。ま、そん時はそん時でとりあえずは行ってみます。と言うと「いいなそういう考え方好きだな〜w」と。私は逆にさすが浮浪雲さんだと思ったw。小1の息子くんが小慣れてきて私のからだをぺたぺた触るようになると「こら人のからだを気安く触るんじゃない、触っていいのは若いおネエちゃんの体だけだ」と正論のような正論ではないような名言を小1の我が息子に言い放つ。さすが浮浪雲さんだ。
佐世保に到着。
自分はこのまま30分後に出航する『五島福江港』行きに乗り直す。
「もしかしたら仙台のどこかでばったり逢うかもしれませんね、その時はこの後の五島での武勇伝ぜひ聞かせてくださいね」と。おしゃれなこと言うな〜さすが浮浪雲さんだ、とここでもまた感心w
二人と固い握手をして別れた。
池島は最盛期には周囲4kmの島に約8,000人が住んでいて学校には1,200人もの子供がいたそうです。今は人口100人あまり、あの広い学校には小学生が2人だけ。
島を歩いて見たかぎり田畑など農作物を作っている気配はなく、港はあるが漁業などをしている気配もない。宿泊施設1、食堂1、貸自転車屋1、銭湯1、炭鉱体験ツアーもしているが特別観光に力をいれてる訳でもなさそう。。。
2001年の炭鉱閉山以来産業を失い、何も生産しなくなった島。自然に朽ち果てていくのを待つ島。時が止まった島。
ここは現代の日本なのかと隔世感すらありました。
海がきれいで景色がすごくて、とてもテンション上がるのだけれども、周りの廃墟から漂う悲壮感と入り混じりなんとも複雑な感情になってしまう。
怖いとか不気味とかそういうオカルト的なものでは全然なく、
なにか懐かしいような寂しいような、そんな、、、非日常的で、不思議な島でした。
そうは言っても、
廃墟好きや写真好きにはたまらない島でしょう。猫好きにも。
海、雲、空、とても絵になる。島の人に夕日が見える場所や朝日が見える場所を聞くと決まって返ってくる答えは同じ「どこでも」。
自転車やバイクで回るのにいい島とも聞きますが周囲4kmで中に入ってもそうたいした距離はないのでおそらくもの足りないのではないでしょうか?
やはりこの島はヘッドフォンを外してゆっくり歩いて回るのがおすすめです。
デカダンな雰囲気を味わいながら・・・・
あ、ゴスロリさんにもいいかもですねw
(T)
池島クライシス vol.2
朝、宿の人から聞いた見晴らしの良いという場所に行ってみる。




おそらく小中学校の建物の裏にある小高い山のあたりだろう。
宿の人の説明どおりに行く。
「小学校の横の道を入って行くと鳥居があって、それをくぐって階段を登ると、」
「神社があり、」
「すぐ横の外れたところにけもの道があるので、それを登る、登る」


「するとタンクがあるので、そこからさらに細い道を探してください」

と、このタンクの金網沿いを2周程して探すが ”道らしきもの” が見当たらない。
そんなはずはないともう一度じっくり探すと、
金網の端まで行く手前の左側に雑草が踏み倒されてるようなとこがある。
これ本気のけものしかいけないとこですやんw
途中かなりの急斜面。ロープを掴まないと登れない。
しかもその先には木が倒れていて這ってくぐらなければならない所もある。
そこを抜けるとわさわさとした雑草。
あまり人も来ないのだろう、草で道がふさがれている。
「そこをかきわけて行くとみはらしの良い場所にでますので」って、
この手前の "岩" がおそらくこの島のピーク。最高峰。
宿の人の言う「見晴らし台」
気軽に「行ってみるといいですよ」と教えてくれたので、
気軽に行ってみたらなかなかのハードさでしたw
でも苦労して来た甲斐あってここからの見晴らしがサイコー!


ここからは島の半分が一望できる。
山から降りてぶらぶらしてると、
朝日を背に受けて巨人になってた。。

(T)
池島クライシス
【池島】・・・・
長崎県の西に浮かぶ周囲4kmほどの島。
かつて炭鉱で栄えた島は2001年に閉山。
それ以降は当時の建物もそのままに廃墟化。ゴーストタウンとなる。
近年『軍艦島』の世界遺産決定とともに、"第2の軍艦島”として脚光を浴びはじめている。
軍艦島は無人島で規制も多く勝手に入ることはできないが、
池島はまだ100余人が島で生活しておりある程度自由に見て回ることができる。
ひさしぶりの一人旅でございます。
飛行機2つ、バス3つ、船1つを乗り継ぎ、やっと「池島」に到着。
飛行機からバス、バスからバス、の乗り継ぎはどれも時間ギリでハラハラ。
一つでも乗り遅れると今日中には着けなかった。
港から池島へ向かう船の乗客は自分と島民のおじいさんの二人だけらしい。
船長さんに「今日は島に泊まると?この船もこの便終わったら台風2つ来とるからこもるけん。しばらくこの港には帰って来んよ」と。帰りは佐世保港へ行くつもりだと言うと「そっちは大きか船やけん大丈夫やろね」
出航。
先ほどの島のおじいさんと話をした。
昭和47年から池島で働いてたこと、その前は浦安の現場で働いてたこと、2001年に池島の炭鉱が閉山になったこと、いま周りに見える島はだいたい炭鉱として稼働していたこと。造船所として稼働してる島も今はあること・・・
「ニイちゃんはどっからきたと?」宮城県です、仙台というところ。
「あんまり聞かんな〜」(こちらの方はあまり東北ってなじみがないのだろう。)
「島に誰か知り合いがおると?」いえ全然、ただの観光です。
「なんでこの島に?」なんで、、ん〜、なんとなくw
「ひとりで?」はい。
「もったいなかー。一泊?」はい。
「もったいなかー。今度来る時は家族で来てゆっくりしていくとよか」はい今度はぜひそうします。

港から少し歩こうかと思っていたが、おじいさんが「上り坂で疲れるけんバスでいかんね、わしも乗るけん」島内を巡回してるコミュニティバスに乗り込む。おじいさんはバスに乗って2−3分程の港近くのアパートの前で降りていったのでお礼を言った。
運転手さんは、今年は雨が降らなくて困ってるという「台風来るのはいいが雨も降ってくれんと」とのこと。大雨で災害に見舞われて大変なおもいをしてる地域もある一方で皮肉なものだ。
「ご飯食べたと?先に”かあちゃんの店”寄るとですか?」
そうですね、、閉まるの18時位ですもんね?
ここ池島で食事をできる場所は ”かあちゃんの店” 一箇所のみ。
宿泊できるところも今日泊まる予定の ”中央会館” 一箇所のみ。
今17時半過ぎなのでここで食べなければ今日はもう何も食べられないということになる。
店のドアの前には猫がわらわら。そうここ池島は ”猫島” とも呼ばれてるらしく(宮城の田代島も”猫島”で有名ですね) およそ100人以下の人口に対して猫300匹とも・・・
小学生低学年くらいの男の子が猫と戯れてたので店の子か島の子かとおもい「ぜんぶノラ?」と聞いたら「知らん」と。
店の中へ。
閉店間際で嫌がられそうなのでとっとと食べて出ようと思い入ってすぐメニューを見渡し、ちゃんぽんとビールください、と注文。席につこうとするとあれま他にもお客さんがいらっしゃいました。もしかして今日この島に泊まるのは自分一人だけかもと思っていたのでちょっとほっとした。お客さんは皆男性で一人と三人組。こんちわ〜と挨拶して席に着くなり一人の男性が「炭鉱の体験してきましたか?」と。いやたった今到着したばかりなのでまだどこも。「どちらからですか?」東北の宮城県です。というとその方も「ぼくもですよ!」と「青葉区の〇〇です」まさかこんな西の果ての狭い島で同郷の人に会うとは。店の前にいた子供もこの人の息子さんだそう。そしてもうひと組の3人さんは九州電力の方達で仕事で台風が来る前に早めに池島入りをしたとのこと。泊まれるところは一つだけなんでみんな一緒のところですから。
お店を出て "展望台" という看板があったのでそちらへ行ってみる。
展望台に行く手前にはこんなものが。
展望台から
まだ日没まで時間があるので一度チェックインをしに宿泊所へ。
行く途中先ほどの親子に会い話しながら歩く。
「8階建アパートは見ました?あそこは行かないと。あとすぐ近くに銭湯あるんで入るといいですよ」と教えてもらった。
宿泊所に着き、部屋に案内されると思ってたより全然良かった。こじんまりしてるがエアコンもありベッドが置かれてる。しかもなんと部屋からあの夕日が見える!!
再び外出しようとするとフロントの人から懐中電灯を手渡された。
現在生徒は中学生はおらず、小学生の男の子兄弟2人だけだそうです。
池島のランドマーク的建物 "8階建アパート”
この8階建アパートは8階建なのにエレベーターがない。
左の道を行けば1~4階まで上れる入り口、右の道を行けば5~8階まで上れる入り口。
こういう工夫により建築基準法をクリアしていたのかも。
5~8階への入り口。
8階建アパートを通り過ぎそのまま進んでみる、
すると、
きました
ジャジャ〜ン
なんかスゴイもの見た気分。。。
そして、
日没。。。
そのまま銭湯へ向かう。
なんの飾り気もない無骨な銭湯。
ちょっと熱めだがここも誰もおらずゆっくり入れて疲れが癒えた。
銭湯から出ると外はもう真っ暗。
いよいよここでお借りした懐中電灯が登場!
このへんは今や誰も住んでいない廃墟アパート。まわりは森。
人っ子ひとり歩いてない(猫は歩いてるが・・・)
否が応にも気分は盛り上がる?。。。
そこで頭の中で流れてきた曲が♪
『蝋人形の館』
by聖飢魔II (知らないよい子はゴメンなさいw)
真っ暗な中、
誰も住んでいない廃墟アパートを懐中電灯で照らすとちょっとした心霊スポットのようw
ちょっとゾクゾクッときながら空を見る。
雲が厚いのか、星も月もまったく見えない。。。
宿に帰り、窓を開けエアコンと電気を消してみると、
かすかな波の音と虫の声と時折得体の知れない獣?のような鳴き声。
遠くに聞きながらも、ぐっすり眠りましたw
(T)